北欧借りぐらし

北欧について気になったことを調べてまとめます。

デンマーク人との国際結婚は年々厳しくなっているのか

 

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デンマーク人彼氏がいる友人がぼやいていた。結婚したくないなあ。

別に婚約者と喧嘩中とか、婚約者家族との相性が悪いとかそういうことではない。配偶者ビザが問題なのです。国際結婚を考えるカップルが必ず直面する問題、それが

配偶者VISA、または永住権。 

友人の場合は、ワーホリビザで一度デンマークに滞在し、ワーホリビザが切れる前に配偶者ビザに切り替える予定だった。しかし、デンマーク配偶者ビザ、認可されるのがとても遅く、5か月以上かかるという噂。(web上では最大10か月かかると記載されている)

その間、デンマーク国外から出てはいけないし、CPRナンバーも付与されないので、仕事もできなければデンマーク語学学校にも行けないそう。同じような悩みを持つ友人は他にもいる。デンマーク配偶者ビザをすでに申請した別の女性は、デンマーク語家庭教師を雇ったと聞いた。

 

 そして外国籍の私たちがデンマーク配偶者ビザを取得するのには、いくつかの条件がある。(下記要件は、結婚相手がデンマーク国籍所有者の場合)

さっくり列挙すると、

●申請料5900DKK。日本円にして現在のレートで10万4202円。※1

●結婚式を行っていて、(特別な状況下でない限り)18か月以上一緒に住んでいること。

援助交際じゃないこと。(年の差がありすぎたり、電撃婚すぎると怪しまれる)

●永住権目当ての結婚じゃないこと。

●基本的に24歳以上であること。(深刻な病気だったり、嫡子がいた場合とか例外あり)

●母国よりもデンマークとの結びつきが強いこと。(デンマーク国外で長期滞在してないか、デンマークで働いているか等)

デンマーク語を学んでいること。(A1レベルのテストを決められた期間内に合格していること※2

 

デンマーク国籍所有者側が国際結婚する条件はこちら。

●家を持っていること(一人当たり20平方m以上の)

●過去3年間に社会保障を国から受けていないこと(失業手当や生活保護

●貯金が55,375DKK以上あること。日本円にして97万8009円。※3(でもこれはデンマークのA1テストに合格すると39万1206円に、A2のテストに合格すると19万5602円に減らせます)

 

ざっくりとしか書いてないので詳しく知りたい方はこちら(デンマーク移民局ページ)から。(https://www.nyidanmark.dk/en-GB/You-want-to-apply/Family/Family-reunification/Spouse-or-cohabiting-partner?anchor=canyouapply

 

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☆注釈

※1 数年前は申請料が無料だった。

※2 私見だが、デンマーク語を独学で習得するのは大変難しい。これまでは、居住許可を取得した人全員が無料でデンマーク語学校に通える制度があった。

しかし、2018年8月以降は有料になる。金額は、およそ2000DKK(およそ3万5000円)/2-3か月。また2018年3月8日の記事では、これまで移民を受け入れてきた語学学校が閉鎖することが発表され、約300名と教師と生徒に影響が出るという。勉強中の生徒は転校を余儀なくされ、教師は職を失う。(http://www.yourdanishlife.dk/what-is-happening-with-the-danish-lessons-and-language-schools/

※3 今年になって制度を変更。担保金額があまりに高かったため、他国から批判を受け今回減額された。

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ちなみに、これはあくまで要件。

実際に必要となる詳しい提出書類等は、住んでいる各自治体の職員に聞く必要があります。日本外務省アポスティーユ付きの独身証明書や、戸籍謄本などが必要です。これらを集めるのにも、前々からの準備が必要ですね。

個人的な意見ですが、デンマークは小国なだけあって意思決定、実行が早い。制度が(良い意味でも悪い意味でも)すぐに変わる。なので、今後も結婚要件制度が変わって行くかもしれません。

 

 このように年々、国際結婚要件が厳しくなるなか、CPHPOSTではこんな記事もありました。

【より多くのデンマーク人がタイ人と結婚】(http://cphpost.dk/news/more-danes-marrying-thais-figures-show.html

デンマーク統計局の調査によると、2017年の10月から12月の間に、105人ものタイ出身の女性とデンマークの男性が結婚していることがわかったというニュース。十分な教育を受けた英語を話すタイの女性の増加が、インターネットのマッチングサービスでの英語のやり取りを可能にしていることが主な要因とある。

 

個人的には、ふーんだからどうしたとも思える記事なんですが、そう思わない人もいるかもしれません。 私は結婚の統計にあまり詳しい人ではないので、3ヶ月に105人が多いのか少ないのかわかりませんし、なぜ記者がタイ人だけに着目したのかもわかりません。もしかすると、このような事実が背景にあって、国際結婚要項が厳しくなってきているかもしれませんし、そうではないのかもしれません。ただ、思ったのは、誰かがこの事実に着目して、調べて、読者に知らせたいと思って、CPHPOSTも読者がきっと読みたい記事だろうと思って記事にしたということ。人は見たいものを見て、聞きたいことを聞く生き物なので、こういった小さな意識の集合、人の意思や行動が法や制度を動かすのだな、という見方もできます。

 

さて…話は戻りますが、たとえ無事配偶者ビザを取得しても、さらに選択しなくてはならないことがあります。友人の悩みは尽きません。それは国籍。日本は二重国籍を認めていない国なので、よぅく考えたうえで決めなくてはならなりません。年金問題社会保障制度に関わってきます。国際結婚をした多くの日本人は、いまだ日本国籍のままのようです。

しかし、最近聞いた話だと、ずっとデンマークに住んでいて、その間ずっとデンマークに年金を納めていたのにも関わらず、退職後国外に出るともらえなくなってしまうそうです…ちなみに、それはデンマーク国籍所有者だと該当しないそうです。日本国籍は今後も保持するに値する国籍なのか…気が向いたら、デンマーク年金制度についても調べて書き留めていきたいと思います。